項目① 原材料(Ingredients)
目的:
原材料の「実質的価値」と「表示の誠実さ」を評価する。
単なる「イメージの良さ」ではなく、栄養価 × 表示透明性 × 加工度 × 油脂の質の総合点で判断する。
★ 評価基準(原材料)
| 評価 | 判定基準 |
| ★★★★★ | 動物性主体、割合明示、加工タンパクなし、飾り原料なし、油脂透明。 |
| ★★★★☆ | 動物性主体、植物性タンパク少量、飾り原料なし、油脂明確。 |
| ★★★☆☆ | 動物性+植物性混在。豆類多め、飾り原料、水増し表示あり。 |
| ★★☆☆☆ | 加工タンパク主体、広義原料、不透明な油脂あり。 |
| ★☆☆☆☆ | 植物主体、「肉類」「油脂類」など抽象度の高い原料中心。 |
【重要】減点ルール(原材料)
▲ 1. 生肉+乾燥肉トリック(水増し) → −1★
例:生肉20%+乾燥肉24% → 実質は乾燥肉主体。
▲ 2. 原料の順位操作(分割表記) → −1★
例:「肉類(〇〇、〇〇、〇〇)」など。
▲ 3. 加工タンパク質(プロテイン粉) → 中立〜減点
▲ 4. 飾り原料 → −1★
例:クランベリー、バナナ、トマト、海藻、マリーゴールドなど
(ごく微量で実質的な栄養価がないもの)
◎ 油脂の評価ルール
油脂は品質・安全性・透明性の核心であり、本基準では最も重視する要素のひとつとする。
◎ 加点(+0.5★)になる油脂
- ひまわり油
- 菜種油(キャノーラ)
〇 中立(0★)
- ココナッツオイル
- 亜麻仁油
- 鶏脂(Chicken Fat)
▲ 軽度減点(−0.5★)
- 牛脂(Beef Tallow)
- 豚脂(Lard)
▲ 大幅減点(−1.0〜1.5★)
(もっとも望ましくない表示)
- 動物性油脂(Animal Fat)
- 油脂類(Oils / Fats)
- 混合動物油脂(Mixed Animal Fat)
理由:原料不明、調達リスク回避目的、酸化リスク、品質不一致、嗜好性操作、アレルゲン特定不能など。
項目② 栄養設計(Nutritional Design)
最重要視するポイントは
「ライフステージ適合性(年齢一致性)」
★ 評価基準(栄養設計)
| 評価 | 判定基準 |
| ★★★★★ | 年齢適合性が完全一致。栄養バランス優秀。 |
| ★★★★☆ | 概ね良好。軽微な偏りあり。 |
| ★★★☆☆ | 長短混在。豆類多い、年齢適合性にズレあり。 |
| ★★☆☆☆ | バランス不良。対象年齢と合わない。 |
| ★☆☆☆☆ | 栄養設計として不適切。 |
年齢別ルール
🐕 シニア犬(7歳〜)
- 高タンパク・中脂質が自然
- グルコサミン/コンドロイチン/MSM → 不要(減点)
🐕 若齢〜成犬(1〜6歳)
- 中低脂質
- 消化性の高い動物性タンパク
- 関節・認知機能成分 → 加点対象
🐈若齢〜成猫(1〜6歳)
-
高タンパク(30~38%)が自然
-
脂質も 中〜高め(12〜20%)
-
タンパク質由来のエネルギー比率が高くても加点
-
全年齢対応キャットフードは 若齢向けのタンパク量に寄ることが多い
🐈高齢猫(7歳〜)
猫は犬と違い、加齢で筋肉が落ちやすいため:
-
中タンパク(28〜34%)が理想
※犬のように「タンパクを落とす」のではなく、「過剰を避けながら確保」が正しい -
消化性の高いたんぱく → 強い加点
-
リン含量は過剰だと減点(猫の腎臓病リスクを踏まえて)
🐈腎臓病ステージが進んだ高齢猫
これは一般食では対応できないゾーンだが、設計評価では重要:
-
低タンパク(療法食レベル)へ切り替えが必要
-
一般食で「低リン」を謳いながら、タンパク量が高すぎる場合は 大幅減点
-
全年齢対応フードはこのゾーンには 不適合 → 減点
🐈 全年齢対応キャットフードの扱い
キャットフードにはいまだに「全年齢対応」が存在するが、AAFCO基準上は “成長期(子猫)に合わせた設計” = 高タンパク・高脂質 が前提。そのため、
-
成猫・高齢猫には 過剰になる傾向があり減点
-
子猫には合うが、大人の猫には カロリー過多/リン過多になりやすい
よって評価としては:
・全年齢対応=基本は★★〜★★★
・高齢猫向けとしては明確に減点対象
項目③ 安全性(Safety)
人工保存料、着色料、酸化防止剤、加工工程など
**総合的な「食品安全性」**を評価する。
★ 評価基準(安全性)
| ★ | 判定基準 |
| ★★★★★ | 保存料・着色料・香料なし。酸化防止も天然由来。 |
| ★★★★☆ | 人工保存料なし。加工は標準的。 |
| ★★★☆☆ | 添加物あり、または表記が不明瞭。 |
| ★★☆☆☆ | 着色料・保存料を複数使用。 |
| ★☆☆☆☆ | 強い添加物を多用。安全性に懸念大。 |
項目4 コスト(Cost)
ドライフードは、原則1Kgの価格で評価する。
| ★ | 価格(1kg当たり) |
| ★★★★★ | 1,000円未満 |
| ★★★★☆ | 1,000〜1,999円 |
| ★★★☆☆ | 2,000〜2,999円 |
| ★★☆☆☆ | 3,000〜3,999円 |
| ★☆☆☆☆ | 4,000円以上 |
★★★★★ ロイヤルカナン(Royal Canin)
項目5 企業姿勢
★★★★★ マース(ロイヤルカナン)、ヒルズ
- 世界規模で自社工場運営、品質管理はトップクラス。
- ISO・HACCP・研究部門・日本法人あり。
→ 最高レベルの透明性・品質管理・供給体制。
★★★★ ネスレ
- 多国籍大企業で QC 体制と供給安定性が非常に高い。
- 工場公開や安全文化は高水準。
→ 信頼性の高い大企業グレード。
★★★ 国内大手メーカー
(ユニ・チャーム、日清ペットフードなど)
- 国内製造で品質管理・安全性は標準以上。
- 供給も安定、問い合わせ対応も良好。
- 製造工程・原材料の詳細開示は外資大手ほどではない。
→ 「日本の大手として十分信頼できる中立〜良質ゾーン」。
★★ 海外製品を輸入販売する日本企業(輸入代理店モデル)
- 製造は海外企業、国によって品質差が大きい。
- QC やトレーサビリティの開示は限定的。
- 供給は物流状況に左右される。
→ 「情報公開が不十分な中級ゾーン」。
★ ホームセンターOEM商品
-
製造委託先が非公開または頻繁に変更。
-
QC 方針や安全基準が確認しづらい。
-
コスト優先でトレーサビリティが弱い。
→ 「企業姿勢として最低ランク」。
