1-8 動物病院での犬猫の健康診断
ペットたちも人間と同じように、病気は早期発見・早期治療が非常に重要です。そのために欠かせないのが「健康診断」です。では、動物病院で実施される健康診断では、具体的にどのような検査が行われるのでしょうか?以下に代表的な検査項目と当院での大まかな費用をご紹介します。
① 体重・体温・視診・触診・聴診などの基本チェック
費用 500円~
まずは一次診察として、見た目の異常や体の変化を確認する「スクリーニング検査」を行います。
- 体重の増減は病気や栄養状態を反映します。
- 体温の異常(発熱・低体温)は感染症や炎症のサインです。
- 鼻・口腔・眼・耳・皮膚・被毛の状態もここで観察されます。
- 聴診によって心雑音や呼吸音の異常をチェックします。
② 血液検査
体内の臓器や全身状態を把握するための最も基本的かつ重要な検査です。
費用 5,000円~20,000円(検査項目による)
- 肝臓・腎臓・膵臓などの臓器機能
- 電解質バランス、脱水の有無
- 血糖値、コレステロール、中性脂肪などの代謝マーカー
- 貧血や感染の兆候(白血球・赤血球・血小板数)
- 猫の甲状腺ホルモン(T4)や、皮膚疾患を抱える犬の副腎・甲状腺ホルモンなども必要に応じて追加されます。
③ レントゲン検査(X線)
費用 4,500円~(検査部位による)
骨や臓器の全体的な構造を画像で確認します。
- 心臓の大きさ・肺の状態
- 胃腸ガスの分布や異物の有無
- 腫瘤の存在や位置関係
- 骨折、関節疾患、変形性脊椎症などの骨の異常
※無症状でも偶発的な腫瘍や心肥大が発見されるケースがあります。
④ 心電図検査(ECG)
費用 2,000円~
心臓の電気的なリズムや拍動の異常を確認します。
- 頻脈・徐脈、不整脈の有無
- 聴診で異常が疑われる場合の補助診断
- 必要に応じて心臓バイオマーカー(NT-proBNP等)・心エコー・血圧測定などと組み合わせて行います。
⑤ 超音波検査(エコー)
費用 2,000円~8,000円(検査部位の数による)
臓器の内部構造や動きをリアルタイムで観察できる検査です。
- 腎臓・肝臓・膀胱・脾臓・心臓・消化管などの詳細な評価
- 結石・腫瘍・液体貯留・炎症の検出
- 泌尿器疾患や心疾患のスクリーニングに特に有用です。
- 心臓エコーでは、弁膜症・心筋症などの心機能評価が可能です。
⑥ 尿検査
費用 1,500円~
腎機能や泌尿器の健康状態を評価します。
- 比重、pH、蛋白、糖、潜血などの基本情報
- 結晶や細菌、異常細胞の有無の確認
- 腎疾患や糖尿病、膀胱炎、結石などの早期発見に役立ちます。
⑦ 便検査
費用 500円~
消化器や寄生虫感染のチェックに欠かせません。
- 回虫・鉤虫などの寄生虫卵や原虫(ジアルジア等)の検査
- 消化状態の確認(未消化物、血液、異常臭)
特に下痢や軟便が続く場合は早期検査が重要です。
まとめ
健康診断は「病気を見つける」だけでなく、日頃の健康を客観的に記録しておくための大切なプロセスです。特にシニア期(6~7歳以上)では半年~年1回の定期健診が推奨されます。
Reference
AAHA / AAFP ライフステージガイド
-
2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelines
-
2019 AAHA Canine Life Stage Guidelines
AAFCO 基準
-
Association of American Feed Control Officials (AAFCO)
FEDIAF Nutritional Guidelines
欧州の栄養基準。。
腎臓病と療法食の寿命延長
Elliott et al., 2000, Journal of Small Animal Practice
腎臓病猫における療法食による生存期間延長。
