新しいノミ・マダニ予防薬「ブラベクト365」がなぜ「カテゴリーキラー」と言われているのか
2026年3月9日に発売された 1年持続型のノミ・マダニ予防注射薬、ブラベクト365は、単に「新しい薬」というだけでなく、動物医療の予防市場そのものを大きく変える可能性があると考えられています。そのため業界では 「カテゴリーキラー(既存カテゴリーを大きく変える商品)」 と呼ばれることがあります。
これまで犬のノミ・マダニ予防は、大きく分けて次の3つのカテゴリーがありました。
① 経口薬(チュアブルタイプ)
② スポット剤(背中に滴下するタイプ)
③ 首輪タイプ
現在の主流は 経口薬(ネクスガード、クレデリオ錠など)で、多くの動物病院では 毎月1回投与を基本としています。
この方式は、予防期間中に 複数回の購入が必要になるため、動物病院にとっては安定した継続収益モデルでもありました。
しかし今回登場した 1年持続型の注射薬は、この構造を大きく変える可能性があります。
① 毎月投与という習慣がなくなる
これまでの予防は「月1回の投薬」というスタイルでした。
しかし注射型の場合年1回の接種で予防が完了します。
つまり、予防薬の購入回数そのものが大きく減る可能性があります。
② 投薬トラブルがなくなる
内服薬では
・食べてくれない
・吐き出す
・飲み忘れる
といった問題が一定数あります。
実際、多くの動物病院で2〜3割程度の犬が投薬に苦労すると言われています。
注射薬ではこの問題がほぼ解消されます。
③ 価格構造が変わる
これまでの予防薬は毎月購入するモデルでしたが、注射薬は1回の高単価商品になります。そのため飼い主側から見ると
・年間費用が分かりやすい
・結果的に安くなるケースが多い
という特徴があります。当院の調べでは、体重18kg以下であれば、注射薬の方が原価が安くなる計算です。
④ スポット剤市場への影響
スポット剤は
・シャンプーで落ちる可能性
・塗布後の匂い
・皮膚トラブル
などの問題があり、近年すでに経口薬にシェアを奪われてきました。
そこに今回の 長期持続型注射薬が登場すると、
スポット剤 → 経口薬 → 注射
という形で、さらに市場構造が変化する可能性があります。

